「おでんはじめました」
- 「おでんはじめました」
と、たまに行く、立ち飲み屋さんの大書 - そうか寒いからな
とおもいつつ、コンビニは先月からやっている...
のに.....
店主はいつもの笑顔で
「熱燗にしますか」と聞いてくる - 口開けなので
お客はだれもいない
ここ、セルフなので
積み上げてあるお皿に
真っ黒になった卵と厚揚げをとり
最初の一杯
おお、初冬の趣 - とひといきついたら
なにやら人の気配
おばちゃん二人が、おでんにつられて入ってきた - 二軒隣にコンビニがあるのに
おばちゃんたちは
手慣れた様子で
お皿に数品もり、び-るの小瓶を二人でわけ
機関銃のように
会話して、帰って行った
その間
ぼくはじっと嵐が過ぎ去るのをまっていた - 店主にたずねると
おばさま達のおでん立ち食いはよくあるという
さすがにコンビニではできないし
くちあけの立ち飲み屋ならすいてるし
冬の常連さんは何組かいるらしい - いきつぎてしたにのこりし冬の燗 自作