反知性主義
「反知性主義」というこの本は
そもそも、反知性主義がなぜ米国で生まれ育ったか
について述べている
なかなか興味深い本である
現在の我が国の衆愚政治がどうして成り立ってしまっているのかについても考えさせられる本でもある
米国は中世という時代を経ていないため
知識と教養、そして文化が決定的にかけている
第一次世界大戦により欧州が疲弊したため
多くの文化が流れ込み
それは第二次世界大戦で土着したと勘違いを起こすこととなる
ピュ-リタントの教えと民主主義は
誰もが自己主張出来る根底があった
そしてそれが反知性主義を育てる土壌になっている
ここまでは、なんら悪い話では無い
しかしここから先が問題なのだ
21世紀になって
知識人達は発言を封じ込められることとなる
ネットの発達が大きな要因であることは言うまでも無い
あたまが空っぽなままに
専門家の意見にクレ-ムを付けられるようになったのである
それは運転免許をもっていない人間が高速道路を逆走しているかのような現象を引き起こしている
専門家たちにも問題はある
前提条件を吹っ飛ばして、平易な説明が求められると
知識が無い人たちは、関係ない地点をほじくり出して、敏感に反応する、
そうすると説明がしばし成り立たなくなる
実はこのことは為政者にとってはとても都合がいい
アジテ-タを育成し、民を煽ればいいのだから
なんで
としばしかんがえたのだが
大學の進学率の向上とも相関がある
知識だけ教え、教養を教えないと、反知性主義の利用しやすい人間が量産できるのだ
全員が発言できる手段を持つことは決してわるいことではない
ただし、情報のクオリティについて判断出来る能力は教育される必要があるし、
身につけなくては社会の構成員にはなれないのだが。