精神寄生体
同じ本が2冊ある
前に買った一冊を忘れて
次の一冊を買ったらしい
一冊目は1988年の初刷りもの...
二冊目は1992年の三刷目
値段は2000円と2060円
この4年の間に消費税増税があったのだ
原本は1967年に出版されている
コリン・ウィルソンは1956年に出版された「アウトサイダ-」により一躍時代の寵児になった。
しかし有名になればなるほど本人の意図とは別の歩みをしてしまう
世間の批評は
「社会不適合になった天才達の末路」
本人が主張したかったのは
日常の些末性から逃れようとした、天才達の葛藤と敗北
かなり意味が違う
僕自身は1970年代から彼の作品を読み始め
「アウトサイダ-」にたどり着くまでには
10冊の作品を読んでいた
たしかに「アウトサイダ-」という本は読みにくい
執筆になれていない博覧強記の若者の殴り書き、といった体だ
そのかれが人間の些末性について
物語として書き起こしたのが
「精神寄生体」The Mind Parasites
1967年からみた近未来というのは2014年
最後に冥王星にでかけるのが2007年の事
さてしてみると
我々が存在している2015年というのは
近未来には達していないようだ
この作品マインドパラサイトの戦いを「ラブクラフト風」に書くという
こころみなのだが
読み直すだけの価値はある
なにせ二冊も買ったのだから