柏餅の季節
おやつは柏餅と大福
和菓子の世界はもう初夏なのだ
木がくれて名誉の家の幟哉 蕪村
初夏は鯉のぼりの季節
江戸時代から鯉は空を泳ぐ
もともとは室町時代に端午の節句に旗指物や吹き流しを
軒端にたてる習慣があった
それは蕪村の句にあるような名家の話
江戸の町人たちは鯉をあげてしまうのである
なぜ鯉になったのかといえば
登竜門の話なのだろう
黄河の上流にある龍門の下には鯉がたくさん集まる
ここを上ろうとしても急流で上がれない
しかしもしこの龍門を上った鯉はたちまち竜に変わるという
この登竜門伝説が下敷きにあって
男の子の初節句に鯉を飛ばすようになったものと考えられる
江戸の町人たちが最初に作ったのは紙の鯉
「江戸っ子は五月の鯉の吹き流し、口ばかりで腸はなし」
これが布になるのは大正時代のことである
とりわくる男ばかりのかしわもち 自作