里ふりて柿の木もたぬ家もなし 芭蕉
この句は芭蕉がなくなる前年
訪れた故郷、伊賀上野で詠まれた
日本の田舎の原風景である
昔実家には渋柿があった、秋になると、父親が空いた肥料袋にいれて
焼酎を振りかけ熟すのを待つ
祖母は、皮を剥き、ヒモに通し、軒先にぶらさげ、干し柿を作っていた
柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺 子規
子規の柿好きというのは有名だが
この句は奈良の宿で、山盛りに盛られた柿を食べているときにおもいうかべたもの
食べているときに、聞こえたのは東大寺の梵鐘
翌日法隆寺の門前で、また柿を食べ
この句が完成した、町中の東大寺より、畑の中にある法隆寺のほうが、秋の景色にあてはまるのはいうまでもない
人恋し夕陽の色に柿四つ 自作