マドンナの「エビ-タ」
とても重要な意味をしめる
その歴史的評価はこれからなのだとおもうが
そのドラマチックな生涯はミュ-ジカル「エビ-タ」になり
映画「エビ-タ」になった
1998年に公開されたこの映画は
淫売と聖女そして王女を描く
マドンナはこのとき40歳だから
若いときのエビ-タ役には少し無理がある
なにせエビ-タは33歳という若さで亡くなっているのだから
ミュ-ジカル仕立てにしているので
マドンナの歌声は素晴らしい
この映画狂言回しに「チェ」という男を配し、彼女の批判をさせるのだが
かならずしも
エビ-タ批判で終始しているわけではない
軍政がつづき、イギリス資本の経済支配下のアルゼンチンは
庶民階級が貧困で苦しんでいた
そこに登場するのがペロン大佐
かれは野心家だった
女優でラジオ番組を持っていた絶世の美人
エバを愛人にする
そしてエバはペロンの広告塔となる
ペロンは軍人を辞め、労働者の側につく
ペロンが大統領になり
第二次世界大戦、戦争当事国にならなかった、牛肉輸出国は大量の外貨をためこんだ
しかしそれは特権階級の物
エバは「特権階級からとりあげ貧しい人に与える」ため財団も作る
戦時中枢軸国だったアルゼンチンは外交政策として
47年にレインボ-ツア-を実施する、ばらまきプランなのだ
エビ-タの王妃様ステップのためだ
しかし、貧困階層出身の淫売おんなとして、欧州には受けがよくなかった
デビスカルノと同じ扱いである
エビ-タは果たして批判される対象だったのか
そのやり方の計画性については問題があったが
政治が見捨てた貧困層に救いの手をさしのべたのはこの映画でも評価している
実際の物語では1952年にエビ-タが亡くなり
ホアン・ペロンは大統領に再選されるも1955年スペインに亡命する
そこでであったのがダンサ-のイサベル
ペロンはペロニスタ(ペロン支持派)の力で1973年大統領に再選された
イサベル(イサベリ-タ)は副大統領になり、翌年の夫の死で初の女性大統領になる
しかし、政治力はなく程なく失脚してしまう
エビ-タのコピ-にはなれなかったのだ
「アルゼンチンよ泣かないで」は映画のなかでエビ-タが切々として歌う
33歳でなくなったエビ-タはいろんなひとに利用されながら
ひとつだけ大事な信念が残されている
それは
彼女がアルゼンチンをアルゼンチンの国民を愛したことだった