初時雨猿も小蓑をほしげ也 芭蕉
亡くなったのが時雨の季節だからである
1694年11月28日(元禄七年十月十二日)
芭蕉は大阪御堂筋にあった花屋仁右衛門の貸座敷で亡くなる
いまから318年前のことである
芭蕉といえば
表題の句が納められている「猿蓑」が有名である
冬の季語として時雨をあげたのだ
花の詩人西行が花の季節に亡くなったように
芭蕉は時雨の季節になくなる
なんという素敵なことではないか
雨にも季節がある
春雨
菜種梅雨
卯の花腐し
五月雨
夕立
秋雨
そして 時雨
時雨の先は雪になる 雪にも呼び方は様々にある
時雨は冬の雪との境目
冷たいが雪では無い
いやその冷たさは雪以上かもしれない
刈り取った田にふりおちるはつしぐれ 自作