1998年のウィトゲンシュタイン
かれは20世紀で最も重要な哲学者である
しかしウィキペディアを見るかぎり、その評価は「メタ哲学」に終始し
本来の彼の哲学者としての重要性は記述されていない...
なぜなら
かれにとって前期の言語哲学は前段であって
後期の「哲学する事」のほうがはるかに重要なのだが
この哲学の課題は未だ進行中だからだ
1998年の現代思想1月号はウィットゲンシュタインの特集なのだが
死後50年近くたっている時点での評価はここに集約されている
かれが生前に出版した本は20代のころに書いた「論理哲学論考」だけ
大修館からでた12巻の残りは、死後弟子達のノ-トから書き起こされた
そして後期作の代表として「哲学探究」があり
前期と後期に分けた解説を、したり顔でしている人がいるが
(ウィキペディアを書いた人間もそのひとりなのだが)
かれの考えはずっと一貫している
論理哲学論考の最初は
「世界は実際に生起することのすべてである」
ではじまり
「語り得ないことについては沈黙しなくてはならない」
で終わる
言語哲学者達はこの言語で語られる範囲を厳密に規定して「哲学」だと思っている
いってみれは、言語で規程できる範囲なのだから
それは簡単なはなしなのだ
そして、ウィ-ン学団ができる
しかし、ウィットゲンシュタインが言語内を規定したのは
その外側を考えることこそ
哲学だと、いいたかったのだとおもう
内側は科学的に考えられる
外側こそ哲学の課題であると言いたかったのだとおもう