新米にまだ草の実の匂ひ哉 蕪村
採れたての新米は未だ草の匂いがすると蕪村はいう
この国は江戸時代の新田の開発で、お米の北限は何回も修正された
しかし、品種改良が追いつかなかったため
7年に一回は冷害が農村経済を襲った
浅田次郎の「壬生義士伝」の主人公吉村貫一郎は鳥羽伏見の戦いで最初の頃
亡くなる、長男は五稜郭でなくなる、末弟は篤志家の家にもらわれていく
後に東京帝国大学農学部教授を定年退官し、冷害に強い米を作り
故郷にかえるところで終わる、幕末の貧農浪士話はここまで続くのだ
百姓の知恵としては、古米を年末まで食べる
そのために、新米のでる季節は、まだ古米を食べていた
米に味を付けて、ずいむし臭さを紛らわしていた
ほんの数十年前までのはなしである
さて今年にはいって
米価は下がり続けている
地域経済は危篤状態なのだ
米価を自由化したため、地方では米経済がなりたたなくなり
限界集落がとてもふえた、21世紀になってからの話である
秋刀魚焼き湯気あがるまつかまど前 自作