「禁断の幕末維新史」
加治氏は小説家として
幕末維新ものを何冊か表している
鬼塚英昭氏とか原田伊織氏とかとは違い
細かい資料の積み上げはしないから
とても読みやすい
その彼の一番最近の著書がこれ
明治維新のあらすじを書いた
ほぼこれであっている
と言いたいところだが
肝心かなめな
一点が欠けている
この点がかけていると
現在までの日本の支配構造がごまかされてしまう
それは清国と英国が戦った1842年のアヘン戦争
東インド会社の植民地政策の延長線上に
明治維新が存在しているという
ごく当たり前の地政学的歴史史実
南朝の天皇を北朝天皇と入れ替える
政権の移転には莫大な資金がいる
薩摩と長州の破たん藩がある日突然再建されたというはなしになっているが、これは金の出所を騙すためである
ある日突然軍事訓練と装備がされたわけではない
軍事顧問派遣と武器供与がひそかになされた
もちろんお金は債務として
明治政府が延々と返している
なにせ戦時国債の償還と戦争準備金で
国家予算の六割に達していくわけなのだ
国民は
歴史を学ばない
「よらしむべし、しらしむべからず」
というのは
日本人の信仰みたいなものだ
このほんは読みやすいから
ぜひお読みください
半藤とか保坂とか原をよむなら
まずはお勧めしておこう