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コンサルの独り言

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マ-ケテイング・コンサルタントの独白です。

炭のある風景

冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず、霜のいとしろきも、またさらでもいと寒きに、火などいそぎおこして、炭もてわたるもいとつきづきし、昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火もしろき灰がちになりてわろし。

清少納言の「枕草子」の一節である
寒い朝、宮中では女官たちが、炭を熾し、廊下を急いで渡っていく、冷え込んだ空気感がそこここに溢れている文章である。

炭は古くから宮中で用いられていたが
都の町人達が使い始めるのは、室町時代になってからである
全国に広まるのは明治になってから

炭を焼く長き煙の元にあり  草田男

いまは炭が生活の風景からきえてしまった
神楽坂に「伊勢籐」という飲み屋がある
ここの店主の仕事は、夏でも、炭火のいろり端に座り、燗をつけること
席につくと最初にきかれるのは、お酒の温度
炭火の脇、灰に切られた、穴に、錫のちろりを埋め込む

巷のホルモン屋さんでは
七輪に炭という店も未だ生き残っている
炭のある風景_d0202960_0242173.jpg

写真はそのお店

見て飽きぬ肉焼き上げる炭火かな   自作
by kongojiamarron | 2015-11-10 00:24 | 風景 | Comments(0)

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